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ログ・コテージのコンセプト

 

_:今回ログハウスの賃貸物件を計画しておられる「有限会社アミッド」の中山さんと、ログハウスメーカー「株式会社アルファフォア」の森田社長にお話をお伺いしたいと思います。本日はお忙しい中どうもありがとうございます。ではまず、ア・ミッドの中山さんにお聞きしますが、今回ログハウスで賃貸を始めようとしたきっかけから教えていただけますか?

中山:まず最初に、私自身ログハウスが好きで、賃貸のログハウスがあればきっと借りて住んでみたいと思ったところから始まります。今現在賃貸物件が世の中に溢れて、年間40万世帯も増え続ける状態の中、特にプレハブメーカーのメンテナンスフリーのパネルを使った物件や、見た目ちょっと良さそうなプロバンス風のテラスハウスがシェアを占める中、そこへあえて船を漕ぎ出すのですからどうやって特色を出し、人気が出てそれを継続させるにはどういう事か色々と考えていたんです。決してハウスメーカーさんが悪いのではなくあまりにも似た物件が多すぎる為特色を出したかったのです。

←D棟とC棟の間にモミの木、X’masには

 子供たちがイルミネーションの飾りつけをします。

 石畳の道はヨーロッパ風でログは別世界です。

どうせやるなら過去の既成概念に捕らわれず、貸し手と借り手の「賃貸だからとか間借りだから」と云う思いを全く無くして、別の角度から視点を見直し住む人の life style から見つめました。そうして自分だったらどんな環境でどんな風に過ごしてみたいかと考えた時素直に出てきた答えが自然な環境で健康に楽しく住みたいでした。つまり自然&健康=log-life これが LOG COTTAGE の concept です。log-life の快適さに納得すればいずれ log-life から long-life になると思います。不動産の活用方法というのは色々な考え方があると思いますが、現況の不動産は”負”動産になっていてこのままではマイナスの資産を保全するためさらにランニングコストをかけ、持ちこたえようとしている不思議な状況なんですね。このまま何もしなければいずれ売却する事になってしまい、先代から続いたものが無くなってしまうのは惜しいし又自分が育った地に環境を損ねるような見知らぬ物が建つことが緑に囲まれて育った私には納得がいかないのです。それにはどうしたら”負”動産から脱却できるのか考えた時、そこに付加価値を付けるしか生きる道は無いと考えて、”負”動産ではなく付加価値のある付動産、強いては”冨”動産にしないといけないと思いました。その時感じていたのは環境は出来るだけ損なう事なく且つ優良な賃貸物件が出来ないものか?ということなんです。元々区画整理によって開発されたこの土地には山林や畑や小川とかがあったり、自然豊かな場所だったんです。ならば一度なくなった緑を元の状態に近づけてあげるのが本当の意味で自然な流れだと思い、緑の中に家があるような造りにしたいと考えたんです。そうしますと必然的に建物の素材が限定されて、もうログハウスしかないと思ったんです。

_:これまでさぞかしいろんな御苦労があったのではないですか?

中山:本当は一昨年に自宅の裏に建てた物件をログハウスでやる事を考えていたのですが、土地の規制絡やみで時間的制約があって過去の繋がりがあり賃貸物件ではトップメーカーの積水ハウスにお願いした経過がありましたので、今回はぜひログハウスでやりたかったんです。ただ、素人目に見てもすごく建築費が高そうなので賃貸物件としては現実離れしているかと思っていたので数社に声をかけてログを賃貸物件で出来ないかと話したのですが、そっけない反応で驚いたんです。そして最後に訪れたアルファフォアさんは真剣に話を聞いてくれて、見積りも詳細なものを出してくれて・・・本来当たり前なんですが・・・とても良心的でした。

_:そこでアルファフォアさんとのおつきあいが始まるわけですね。では、アルファフォアの森田社長にお聞きしますが、ログハウスの建築を始めるきっかけは何だったのでしょう?

森田:元々、建築学校を出たのですが、当時建築業界が不況だったので他の仕事に就いてたんです。たまたま「ウッディーライフ」という雑誌を見ていたらログハウススクールというのがあるのを知ってそこに入校したんですが、それがそのままその主催会社に入社することになったんです。そしてその会社を辞めてアルファフォアを設立しました。今年で11年目になります。

_:今まで何棟くらい建てられたのでしょうか?

森田:のべ130棟くらいで、北は秋田、西は広島までやっていますが、だいたい関東が中心です。今ではポスト&ビームを中心に建ててまして、年間最大で15棟までとしていますが、今は年間12〜13棟です。それが4人でやれる限界でもありますし丸太を切るカナダの業者の限界でもありますので。

でもログハウスの大手になると年間何百棟もやるのですが、そういうところはマシンカットが主体ですね。うちはハンドカットを主体でやってるので、その方が木の自然の形を生かせるし、味のあるものに出来ます。また曲り木を多く取り入れてなるべく丸太を多く見せたいということにもこだわってます。例えば、本来なら捨ててしまうようなものもアイディア次第で柱にしたり、ちょっと皮を剥いでみがいたりして階段の手すりにしたりとかしています。
C棟の2Fのリビングからロフトを見上げると
ヒノキの自然な枝の手摺と天窓がカッコイイ→
_:なるほど、ところでポスト&ビームとはどういったものですか?

森田:ログって言うと普通丸太を組んで建てたカナディアンタイプを連想しますが、ポスト&ビームとは、ログの柱(ポスト)と梁(ビーム)などは丸太を使用して、壁などは在来工法を取り入れた造りになってます。国内でポスト&ビーム工法を取り入れた業者としてはかなり古い方で実績もあります。元々、石川県の能登島でテスト的にポスト&ビームで建て売りをやったらすぐに買い手がついて、すごく大きな反響があったんですね。それからポスト&ビームが注目されるようになったんです。
←A棟のリビングです。キャラクラーログとログのデスク

 がナチュラルでgood。階段下は収納スペースです。

_:ポスト&ビームのメリットというのはどう言ったものがありますか?

森田:いわゆるカナディアンタイプは「丸太組工法」と呼ばれるのに対して、ポスト&ビームはログハウスの良さに在来工法を取り入れる事により丸太組工法の様々な法の規制がかからなくなり、使いやすい家にする事が出来るんです。たとえば、準防火地域や土地の狭い市街地などにも建てられたりとか、窓が大きくとれるので部屋を明るくできたりとか、屋根の高さを高くして部屋として使えるロフトを作ったりも出来ます。また、材料の方はアルファフォアと専属の契約を結んでいるカナダのマクハマン・ログ・ホームズというログサイトで加工されて、一旦向こうで仮組みされて、またばらしたものをコンテナで輸入しています。向こうに日本で木造建築を学んでカナダでログハウス建築を学んだ日本人スタッフもいますので、細かいニュアンスまで円滑にコミュニケーションできています。
_:部屋の壁材はやはりパイン材ですか?

森田:そうですね、主にパインが多いです。国産の杉は和風になってしまうのであまり使いませんが、もちろんリクエストがあれば使います。国産杉というのは赤身・黒身・白身がいっぺんに見える関係がどうしても和風に見えてしまうんですね。全体に張る時は明るいパインを使って、腰板や床には暗めの米杉を使ってます。感じとしてはカナダの自然の中というよりは住居地という感じですね。「カントリーライフ」と言う感じではないです。 A棟南側です→
柱(ポスト)と梁(ビーム)には太い丸太(ダグラスファー)を使っています。まず日本家屋には無い極太丸太の迫力が圧巻です。

_:そういった点でやはりポスト&ビームはログハウスの良さ+普通の住宅と同じ生活ができる感覚になりつつありますね。


森田:そうですね、ポスト&ビームにするまではいかにもマニアって言う感じの人が多かったのですが、マニアではないけど生活の中にちょっとこだわりを持ちたいって言う方に受けてます。ごく普通に特に気負いも無く、居住性重視の住居としてのログという感覚でしょうか。しかも丸太は何百年ももちますからね、屋根や壁の補修や塗装等のメンテナンスをちゃんとしれてば百年・二百年は楽に持ちます。

_:中山さんからログを賃貸にしたいという話を聞かれた時、どう思われましたか?

森田:面白い話だけど、費用はどこまでかけていいのかというバランスが難しいと思いましたね。最初の印象としてはこれからいけるのではないか?って思いましたし、ぜひやりたいと思いました。まとまった話は以前にもあったんですがすべて暗礁に乗り上げてしまって、今回も慎重に考えていたのですが、中山さんの熱意というか思い入れがすごく伝わってきたんですね。賃貸でやる以上は「あそこに住みたい」と思わせるようなものを作りたいし、仕上げたいですね。賃貸なんだけど住みたいと思わせるものがこれからは絶対必要だと思うんです。特徴のあるものを造りたいという思い入れがお互い合ったから実現したと思います。つまり、ログメーカーと賃貸オーナーのコラボレーションですね。

_:では、中山さん、このログ・コテージの完成予定はいつごろになりますか?

中山:一棟は今年(2003年)の12月で、残りの3棟は2月頃を予定しています。外構工事の完成まで考えますと3月頃の入居になると思います。最初の12月完成物件をモデルルームにする予定ですので是非一度実物を見て体験して下さい。図面や写真では解からない木の質感や温もりを感じることによって必ず木の魅力に惹かれるはずです。

_:場所はどのあたりになりますか?

中山:小田急線の新百合ヶ丘駅から小田急多摩線で2駅目栗平駅から歩いて9分の見晴らしのいいステージにログ・コテージを建設中で、4棟8世帯が入居できる予定です。昨年から栗平駅にも多摩急行が停車するようになり新宿まで28分とアクセスも決して悪くはないですよ。急行でも始発駅から3っ目の駅なので朝の通勤時に座れる確率は高いです。

_:ログハウスというと建てた後のメンテナンスが必要ですよね?

中山:そうですね、主に外部の丸太のペイント作業になりますが、これはできる限り自分でやる事にして経費を抑えたいと思っています。

_:中山さんとしてはどういった人にどんなふうに住んで欲しいとお考えですか?

                         X’masのログはとてもRomantic (^-^)
中山:自然と健康を大事にする人に棲んで欲しいですね。可能な限り天然素材の材料を使用した木の家になっていますのでアレルギー体質や環境に関心がある方には大変興味ある物件です。多分ファミリータイプの賃貸物件として(短期間ではなく)ログハウスは始めての試みだと思います。又それに限らず仕事上遠くの田舎へは住めないけど、できれば自然の中の木の家で家族と一緒に生活したいという方、
普段本当に忙しく、家に帰ってもなかなか休めずにいる方にもぜひ住んで欲しいです。きっと心の底から休息できて心に余裕がもてるはずです。そしてとにかく可能な限り長く住んで欲しいと思っています。そして、住んでいる人同士の小さなコミュニティーも作られて、賃貸だけどログ・コテージに住んでいることがステータスみたいになればうれしいです。なんと言っても丸太と大地に触れ育った子供と高層マンションで育った子供とはでは明らかに感性が違ってくると思います。どちらにもそこの良さがあり対比はできませんが私は自然の環境を選びます。忙しく走り続けるのではなくスローペースでゆっくり家族の事を考えることができるスペースを提供したいのです。今ファーストフードよりもスローフードに関心が集まっていますがライフスタイルもスローライフに替わって来ていると感じています。家庭菜園付きで安心して食べれる物・成長過程を見て造る喜び、安心して棲める家シックハウス対策はもちろんホルムアルデヒドを起こし得るものは排除した木の香りで、癒し効果のあるログハウスを提供します。早くて安くて画一的な物作りから時間が掛かっても良質で特性のある物が受け入れられる時代に来ていると思います。その答えがログハウス=ログコテージです。1人ではなく同じような感性の方が特定のエリアで生活する方がより快適に楽しく過ごせるはずです。このような考え方の延長にコーポラティブハウスも視野にありましたが多数の意見をまとめ上げるよりも私の考えに賛同して下さる方を募ったほうが遥かに効率てきであることとログコテージ全体を統一した管理体制ができることも大切な事です。将来は1棟2世帯を親子間で一緒に住んでもらえると嬉しいです。お互いプライバシーは守りつつ困った時にいつでも手助けができ、何と言ってもお孫さんとおじいちゃんおばあちゃんがいつでもふれあう事ができ家族の和を絶やす事なく末永く気持ち良く棲んで欲しいと願っています。家族は本来歳を重ねるほど和が広がり絆が深まる物だと思いますが、ログハウスも同じで年輪を重ねるほどに良さが増し味わいが深くなっていく、それには本物でしか成し得ない良さ、それを分かち合う事が出来る方々と巡り逢えると幸せです。

_:賃貸住宅としてログ・コテージはどんなものにしたいですか?

中山:一戸建ての持ち家であれば満足度が高いとは限らないんですね。大概30年間住宅ローンに縛られてしまいライフスタイルが変わって行くのにそこから移動することができず、子供も巣立った後夫婦二人では広すぎる家で過ごすよりは、賃貸でその都度住み替える方がその時代に合ったライフスタイルが可能です。家を買うと固定資産税+金利+修繕費と言う家賃を払っているのと何ら変わりはありません。ましてやいつ会社が倒産するか判らない時代ですその時賃貸だったらいくらでも融通が効きますが住宅ローンに縛られるとそうは行きません。家を”買う”の選択をした時、折角買った家のローンが返し終わる時、”負”動産になっていませんか?でも家賃をいくら払っていても自分の物にならないから嫌だと言う方は是非長持ちする家をお建てになる事をお勧め致します。でも賃貸なら余計な心配や負担が掛からないので気軽に過ごせると思います。これからは mobile の時代ですから。

_:最後に、中山さん、このログ・コテージについて一言お願いします。

中山:自分が住めないのがいちばん悔しいです(笑)

_:どうもありがとうございました。

 

 

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